失注した案件への掘り起こしは、3か月後に1通だけ、近況と相談窓口を伝える形で送るのが無難です。返事がなければ、そこで終わりにします。
「あのとき断られたのだから、もう連絡しないほうがいい」と考える制作会社は多いはずです。ただ、断られた理由が「時期」や「予算」だった場合、状況が変わっていることもあります。この記事では、送る相手の選び方、文例、やめどきをまとめます。なお、3か月という期間に公的な統計はなく、あくまで運用上の目安です。
掘り起こす相手を選ぶ
失注した全員に送る必要はありません。次のように分けて、対象を絞ります。
- 送ってよい:理由が「時期が合わない」「予算が足りない」「社内で後回しになった」
- 送ってよい:他社に決めたが、関係は悪くなかった(制作後の改善や運用で需要が出ることがある)
- 送らない:「連絡は不要」と明確に言われた
- 送らない:やり取りの中で強い不満や行き違いがあった
失注理由を記録していないと、この仕分けができません。案件ごとに、一言でよいので理由を残しておきます。
3か月という間隔の考え方
断られた直後に連絡すると、押しつけに見えます。逆に1年以上空くと、相手はこちらを忘れています。3か月は、予算や社内の状況が動き始めるくらいの長さとして、使いやすい目安です。決算期や年度の切り替わりが近い相手なら、その前に合わせてもかまいません。
本文は「近況」と「窓口」だけにする
掘り起こしメールで大事なのは、売り込みをしないことです。入れる内容は次の3つです。
- 以前の相談への、ひとこと(覚えていると伝える)
- こちらの近況を1つ(役に立ちそうな情報や事例)
- 相談したくなったときの窓口(返信でよいと伝える)
提案や見積もりの再提示は、この1通には入れません。
文例
件名:その後いかがですか(◯◯の件)
◯◯様
ご無沙汰しております。◯◯の△△です。 3か月ほど前に、サイトのリニューアルについてご相談いただきました。
その後、状況に変わりはありませんでしょうか。 当社では最近、更新作業を社内で続けやすくする進め方を整理しました。ご関心があればお知らせください。
今回は、近況のご挨拶のみです。ご返信は不要ですが、また何かございましたら、このメールへの返信でお声がけください。
◯◯株式会社 △△
返信を求めすぎず、「返さなくてよい」と書いておくと、相手の負担が下がります。
件名と送る時間で気をつけること
件名は、売り込みに見える言葉を避けます。「キャンペーンのご案内」「特別なご提案」のような件名は、開く前に読み捨てられやすくなります。以前のやり取りが思い出せる言葉を入れて、「その後いかがですか(◯◯の件)」のように、短く書きます。
送る時間は、相手の業種に合わせて平日の午前中を基本にします。夜間や休日に送ると、相手が「急ぎの用件」と受け取ることがあります。
よくある失敗
- 以前の見積もりを、そのまま添付して再送する
- 「今ならお得です」のように、期限で急かす
- 相談の中身を忘れた状態で、定型文だけを送る
- 担当者が変わったのに、前任者の名前のまま送る
送る前に、当時のやり取りを読み返し、相手の名前と案件名が合っているかを必ず確かめます。確認に1件5分ほどかけるだけで、印象は大きく変わります。
1回だけ送る。やめどきを決めておく
返事がなかったら、同じ相手への掘り起こしはそこで終了にします。2回目、3回目と続けると、追客ではなく迷惑になりやすくなります。
送ったかどうかは、案件の一覧に記録します。「掘り起こし済み」の印があれば、担当が変わっても重複して送りません。
メールの配信停止や、事前の同意が関わる送り方(一斉配信など)は、法令上の確認が必要になる場合があります。詳しくは専門家や所管の窓口に確認してください。個別に1通ずつ書く形なら、文面は上のように「売り込みなし」で整えるのが基本です。
反応が来たときの返し方
返信が来たら、その日のうちに返します。いきなり提案に進まず、まずは状況を聞きます。
- お礼を一言
- 今の状況(時期・予算・やりたいこと)を2〜3点だけ質問
- 打合せの候補日を3つ出す
最初の問い合わせと同じ速さで返すことが、いちばん効きます。
まとめ
- 失注理由が「時期・予算」の相手に、3か月後に1通だけ送る
- 内容は近況と相談窓口だけ。売り込まない
- 返事がなければそこで終了し、記録に残す
- 次にやること:直近1年の失注案件を一覧にし、理由が「時期・予算」のものを3件選んで、文例をもとに下書きする
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