予約したのに来ない人への対応は、前日のリマインドで減らし、来なかった当日に一度だけ短く連絡し、再予約の入口を残すの3段階で整えます。責める調子にならないことが、いちばん大切です。
なお、無断キャンセルの割合について、士業向けの公的な統計は見つかっていません。この記事は実務でよく使われる運用の整理で、成果を保証するものではありません。
来所しない理由は、悪意とは限らない
予約した人が来ない理由には、予定の勘違い、急な用事、場所や時間のわかりにくさ、相談する気持ちが揺らいだ、などがあります。多くは悪意ではなく、うっかりか迷いです。そのため、連絡は「確認」と「次の案内」の形にします。
段階1:前日のリマインド
予約の前日に、日時・場所(またはオンラインのURL)・持ち物を、短いメールで送ります。
◯◯様 ◯◯事務所です。明日◯月◯日◯時から、無料相談のご予約をいただいております。 場所:◯◯(最寄り駅から徒歩◯分)/オンラインの場合はこちら:◯◯ お持ちいただくとスムーズなもの:◯◯(なくても大丈夫です) ご都合が変わった場合は、このメールへの返信でお知らせください。日程を変更できます。
「変更できます」と書くのがコツです。来られないと気づいた人が、黙って来なくなるのを減らせます。
段階2:来なかった当日の連絡
予約時刻から10〜30分ほど待って、来なければ、その日のうちに一度だけ連絡します。電話番号がわかっていても、まずはメールかSMSなど、相手が負担に感じにくい手段を使います。
◯◯様 ◯◯事務所です。本日◯時のご予約でお待ちしておりましたが、お会いできませんでした。 お忙しいところかもしれませんので、ご都合の良い日時を、このメールへの返信でお知らせください。◯月◯日または◯月◯日であれば、お時間をおとりできます。
責める言葉(「連絡がありませんでした」「困ります」)は入れません。
段階3:再予約の入口を残す
来なかった当日の連絡のあと、返信がなくても、追いかけすぎないことが大切です。目安は、当日の連絡に加えて、数日後に1回だけ。そこで返信がなければ、連絡は終わりにします。何度も送ると、勧誘と受け取られるおそれがあります。
◯◯様 先日のご予約の件です。ご相談がまだ必要でしたら、いつでもお知らせください。◯◯のフォームから、ご都合の良い日時で再予約できます。
仕組みで減らす工夫
- 予約フォームの完了メールに、日時・場所・変更方法を自動で入れる(自動返信の文例は問い合わせフォームの自動返信メール文例)
- 前日のリマインドを、予約ツールの自動送信にする
- 来なかった人は、問い合わせ管理の表で「不在」と記録し、連絡した日を残す
注意すること
- 個人情報は、予約・連絡の目的の範囲で使います。取り扱いは、所属の会の規程を確認してください。
- 勧誘にあたる連絡の可否は、士業ごとに規程が違います。一般論で判断せず、所属の会の規程を確認してください。
予約を取るときに、来所率を上げる工夫
そもそも来所しにくい予約の取り方を、見直す余地もあります。
- 予約までの日数を空けすぎない:申込みから相談日までが長いと、気持ちが冷めたり、予定を忘れたりします。可能なら、1週間以内の枠を先に案内します。
- 相談の内容を、申込みのときに一言書いてもらう:自分の悩みを文字にした人は、当日を意識しやすくなります。
- カレンダー登録を促す:確認メールに、カレンダーへ追加できる案内(予約ツールの機能)を付けます。
- 相談の流れを書く:「30分、費用はかかりません、お持ちいただく物は特にありません」のように、当日のイメージを先に伝えます。初めて士業に相談する人ほど、不安が減ります。
来なかった人の記録の取り方
来なかった事実と、連絡した日、返信の有無を、問い合わせの管理表に1行で残します。あとで同じ人から連絡が来たときに、前回の経緯がわかり、対応が自然になります。記録は、事実だけを書きます。相手への評価や感想は書きません。
当日に慌てないための社内ルール
来なかった人への連絡は、誰がやるかが曖昧だと、結局やらないまま終わります。次の3点を、短く決めておきます。
- 待つ時間:予約時刻から何分待つか(例:15分)
- 連絡する人:担当者本人か、事務の方か
- 連絡の手段と文面:このページの文例をコピーして、事務所の言葉に直しておく
文面を用意しておけば、忙しい日でも、1分で送れます。
まとめ
前日のリマインド、来なかった当日の短い連絡、数日後の1回だけの案内。この3段階を、事務所のルールとして決めてください。連絡の速さも見直したい場合は、初回返信の目安も参考になります。事務所全体の問い合わせ対応を点検するには、10問・約2分の無料診断も使えます。